今日、熊さんとあった。
覚えているのは3つのシーンのみだ。
最初は、黒いぬいぐるみのようなマンマルが、3つじゃれあっている。
黒毛はフワフワで真っ白い雪に映えている。ウサギ?
次はこの3つが相方が滑ったほうへ駆け出した。
スキーで近づく私に気がついた瞬間に、今度はこちらへ方向転換をした。
熊さん・・・だ。
あまり大きくないが、母熊と子熊2頭。
私は熊さんと反対の方向へ向きを変えた。
尾根になっている先は、急斜面となっている。
木立を避けようとしたその瞬間、重い雪にコントロールを失い、転倒した。
右のビンディングの調子がおかしい。
ここで外れていたら、スキー一本で逃げるしかないのか。焦る。
再度確認すると、ヒールの固定金具が外れているだけ。
直ぐに起き上がった。
片足のヒールが固定されないままスキーを滑らせる。
そのとき、尾根を越えて熊さんが突進してきた。
10m程度の距離であっただろうか。
表情も良く見える。
目は怒っていない。我が家のワンちゃんと同じつぶらな瞳だ。
キバはむき出しにしてはいない。
耳を後に倒し、直進してきた。これが最後のシーンだ。
熊さんが駆け下りてくる方向とほぼ直角にトラバース気味にスキーを進める。
いかに四足歩行と言えども、この雪の中、簡単にスキーには追い付けまい。
そんなことを考えていたと思うが、30mほど滑り、一度後を振り向いた。
熊さんの姿は無い。
さらにスキーを進め、相方と合流した。
相方も自分も足がこわばっていた。制動もぎこちない。
熊さんの状況を再度確認した。
何回も何回もみたが、熊さんは追ってこなかった。
【数日前に自宅近くで見た、泉ヶ岳、北泉ヶ岳、船形山方面】
【この辺りで熊さんに遭遇(写真は登り)】
場所の詳細は http://yossy1904.exblog.jp/ にアップされています。
そういえば、今朝、妻に「おじいちゃんを拝んでいったら」と言われた。
山に行く際に、いままで言われたことはない。
ただし、今日の天気は異常だ。前日までの雨、朝の気温はムッとするほど暖かい。
雪崩に巻き込まれないよう拝んでいくことにした。
スキー場に着くと、風は強いが、山に入るには絶好の天気。
木立の中を北泉ヶ岳を目指して登る。
【スプリングバレーと北泉ヶ岳】
三叉路直前のくまざさ平の尾根に出ると、泉が岳の全容が現れる。
十年くらい前にその泉が岳に登った。
水神への下りで北泉ヶ岳の白い稜線に3頭の熊さんを見た。
母親と子熊であろうか。仲良く遊んでいた。
「北泉ヶ岳は熊の山」と認識していたのかも知れない。
それ以前もそれ以後も、北泉が岳に登ったことはない。
今日が始めて登る日であった。
風は、多少強いものの、気持ちよい木漏れ日を背中に浴びて頂上を目指す。
この斜度がテレマーカーにはたまらないらしい。
相方はどんどん先を行く。
私は、多少遅れながらも後を付いていく。
頂上での景観を楽しんだ後、直ちに下山に入る。
【青空と枝】
【船形方面】
【大崎平野を望む】
【いざ、滑降開始・・・この後熊さんと遭遇】
途中、デジカメの電池の交換をした相方。
少し離れた所で暫らく待っていた。
相方が50m先の木立の中を滑り降りるのが見えた。
「バラバラにならなければ良いが」と思いながら自分もスキーを滑らせる。
この後、熊さんとの出会いがあったのだ。
山を下り、スプリングバレー横の林道で、相方と熊さんについて話す。
・この時期に熊さんが冬眠から覚めて活動していること。
・今までの熊さんとの遭遇経験。
・今日の熊さんとの遭遇の関係者への注意喚起
・駆除に至る可能性。
これから山に入る際は、亡き義父にお祈りすることにする。
「無事下山」と「今日出会った熊さんがこれからも北泉ヶ岳で生活ができますように」。
【陽を浴びる斜面】
【無事下山】